関白道隆 自らの死後を案じて半狂乱

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NHK総合「光る君へ」 4月28日(日)20時10分放送 第17回「うつろい」、見ましたか?

この時の疫病が疱瘡(ほうそう=天然痘)であったとすれば、まひろの顔には痘痕(あばた)が残ったはずです。もちろん「光る君へ」ではそこまでリアリズムは追求されませんが。

いずれにせよまひろ(吉高由里子)は、疫病から生還しました。

水をがぶ飲みする関白道隆(井浦新)は、明らかに糖尿病の末期症状です。

道長(柄本佑)は疫病に苦しむ民のために「救い小屋」を建てるよう兄道隆に進言しますが「朝廷には金が無い、おまえの私財で作れ」と拒否されてしまいます。そして道長は、私財で「救い小屋」を建てることを決心します。正妻の倫子(黒木華)も財を差し出します。

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非田院で倒れたまひろを看病した一夜、倫子に「どこに居たか?」と訊かれた道長は嘘をつきます。

女院詮子(吉田羊)は道兼(玉置玲央)・道長を呼び、道隆亡き後の関白を「出過ぎ者の伊周(三浦翔平)」ではなく「嫌いだが伊周よりはマシな兄道兼」に次がせたい、そのために「伊周が嫌いな多くの公卿たちを取り込む」と言います。

自らの死後を案ずる関白道隆は、一条天皇に「伊周に内覧の宣旨を」と迫り、娘の中宮定子(高畑充希)には「皇子をつくれ」と急かし、弟の道兼(玉置玲央)には、道長(柄本佑)とともに伊周(三浦翔平)と一族の行く末を必死に頼みこみます。

一条天皇は、公卿たちの動静を静かに観ています。冷静な大人になりつつあるのです。何と言っても有能な伊周は従兄弟ですし、怜悧な詮子(吉田羊)が母親なのです。 

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文をやっても返事を返さなかったさわ(野村麻純)が突然まひろを訪ねてきます。兄弟たちを疫病で亡くしはさわは、まひろの文で心が変わったと言います。まひろからの文を写しまひろの様になりたいと願ったのです。斯くして二人は再び仲良くなりました。

まひろは、さわの心を変えたことから「書くこと」を強く意識します。まひろは「何を書きたいのかは、わからない、けれど筆をとらずにはいられない」と文字を書き連ねます。まひろが紫式部に変貌する兆しではないでしょうか。

内裏にも疫病が入り込んで公卿達は騒然としています。藤原実資(秋山竜次)は遠慮なく関白道隆の専横が招いたことだと批判します。しかしどう見ても公卿の実資は一人だけ顔が日焼けし過ぎです。(笑)

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そして関白道隆が世を去ったトコロで「光る君へ」17回「うつろい」は「つづく」となりました。

いよいよまひろが紫式部に変貌する時期が迫ってきました。清少納言との掛け合いも楽しみです。

筆者は、ドラマの進行と並行して読もうと「紫式部日記」(新潮社/2016年)を書架から探してきました。道長に関する既述もありますからね。(笑)

文:鉄道チャンネル住田至朗

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