道隆の専制 独裁 さらに拍車がかかります
NHK総合「光る君へ」 4月14日(日)20時放送 第15回「おごれる者たち」です。
タイトルには暗に平家物語の「驕れる人も久しからず」が含意されていますね。
摂政となった道隆(井浦新)は、一条天皇の母、姉の詮子(吉田羊)を内裏の外に遠ざけます。
一方、摂政を兄に奪われたと自暴自棄になっている道兼(玉置玲央)は、藤原公任(町田啓太)の家に転がり込み、酒に溺れる日々。道長(柄本佑)は、公任の屋敷に道兼を訪ね「自分が支えるから前向きに生きてほしい」と説得します。
立ち直った道兼は、内大臣に、道長は道隆の息子伊周(三浦翔平)と同じ権大納言に昇進。友人藤原公任と腹違いの兄道綱(上地雄輔)も参議に列せられました。
官職を失ったままのまひろ(吉高由里子)の父藤原為時(岸谷五朗)ですが、弟の惟規(高杉真宙)が、難関を突破し疑文章生(ぎもんじょうしょう)となり乳母のいと(信川清順)も泣いて喜びます。
しかし、まひろは、自分の先行きが見えず不安です。
娘定子(高畑充希)が中宮となった道隆の妻高階貴子(板谷由夏)は、ききょう(ファーストサマーウイカ)を内裏に招き定子の和歌・漢詩の話し相手として女房にします。定子はききょうを女房名「清少納言」と名付けます。
紫式部と同様に清少納言も名前や人物は、今も明らかではありません。ただ、中宮定子に仕える女房であったことは確かな様です。「枕草子」が書かれたのも、中宮定子の女房時代と推定されています。
確かに「枕草子」は、今、読んでも十分オモシロイです。筆者は、新潮日本古典集成(上下巻)で、彼女の書いた文章を読むのが楽しみの一つです。
道長は、中宮定子の装束やその住居登華殿の調度などに多額の朝廷財が使用されていることを兄道隆の屋敷を訪れ兄に苦言を呈します。しかし軽くいなされます。
ついでに息子伊周(三浦翔平)の弓比べを見ていけと言われ、最後は甥の伊周と弓比べをさせられるのです。
ここで伊周から「願い事をして勝負しよう」と言われた道長は、伊周の願い「わが家より帝(みかど)が出る」「われ関白となる」をそのまま反復しますが道長の矢は見事に中心を射貫いたのです。
これは近い将来、道長が政敵伊周に勝つことを予想させて、道隆は不安になりました。
道長の婿入り先、左大臣 源雅信(益岡徹)が74歳で亡くなります。これは当寺としては長生き。
一方さわ(野村麻純)に誘われて、まひろは近江の石山寺に旅をします。これがトップ画像。
石山寺でまひろは、道綱の母藤原寧子(財前直見)と『蜻蛉日記』の著者としての話をします。まひろにとって『蜻蛉日記』は、幼い頃からの愛読書だったのです。
・・・と言っても下級貴族の豊かではないまひろに『蜻蛉日記』の写本が簡単に入手できるとも思えません。彼女は、自分で筆写したのかもしれませんね。
そこに道綱(上地雄輔)が母を迎えにきてさわは、道綱に一目惚れします。
その夜、道綱がさわの寝所に忍んできますが・・・。
この道綱さん、道隆、道兼、道長などの腹違いの兄弟たちの様に出世はしなかったのですが、和泉式部と和歌の贈答が残っているなど、なかなか色好みだったのです。
出世と色好み、どちらが幸せだったのかは 分かりません。(笑)
文:鉄道チャンネル 住田至朗