でも 松田龍平さんが登場します!

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NHK BS 2024年4月7日(日) 22時 「舟を編む~私、辞書つくります~」(8)です。

2013年(平成25年)に公開された劇場映画で主人公の馬締光也を演じていた松田龍平さんがドラマに登場して正直筆者は吃驚しました。「大渡海」デジタル版へシステムを提供する企業の開発者の役です。

しかも、劇場映画版の主人公馬締光也だった頃の雰囲気(スーツはサラリーマンっぽく地味なダークスーツ でも髪の毛はかなり長めでトレードマークの黒縁メガネ)があって、しゃべり方もなかなか魅力的。しかも、今回は2度も画面に登場しました。

これだけでも私的には「このNHKドラマを観て良かった!」です。だって、原作小説以来のファンですから。(笑)

原作の刊行時の2011年(平成23年)、劇場映画公開時の2013年(平成25年)には、スマホの普及率も10%程度でした。しかし2023年(令和5年)には、スマホの普及は90%を軽く越えています。同時にネットで雑誌や書籍を楽しむタブレット端末の普及も急速に進んでいるのです。

公共交通機関で本や雑誌、新聞を読む人を急速に見かけなくなりました。ほとんどの人がスマホを覗き込んでいるのです。何を見ているのかは、人それぞれですが・・・。

2017年、岸辺みどり(池田エライザ)は、若者達が使う新しい言葉に戸惑っています。松本先生(柴田恭兵)に「用例採集カードに立ち返ることが良い」と言われます。馬締(野田洋次郎)に案内されたのは、松本先生と玄武書房辞書編集部員たちが53年間に収集した約100万枚の用例採集カード。その量と使われてきた熱意にみどりは息をのみます。  

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いよいよ「大渡海」は4稿に入ります。図像も入って、最終5稿までのほぼ最終の見出し語などのチェックです。

2017年もいよいよクリスマス、プレゼントの交換で盛り上がる辞書編集部。ここに「あたらよ」という言葉が出てきました。

あたらよ【〈可惜〉夜】明けるのが惜しい、すばらしい夜。

この言葉、筆者は知りませんでした。

大晦日に、馬締夫妻と年越しそばを食べるみどり。元旦は、みどりが実家に日帰りなのでネコの面倒をみることになります。その間に年が明けて、おせち料理を食べちゃいます。それがトップ画像。

年が明けて2018年、他社の中型辞書の改版が出ました。みどりがあけぼの製紙の宮本(矢本悠馬)と「大渡海」に採用するコトを狙っている紙の質を既に備えていたのです。宮本は静岡の工場に飛び、開発者、技術者に更なる改良を嘆願します。

そこからみどりと宮本は究極の紙を目指して頑張ります。  

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2019年4月、新しい元号「令和」が発表され「ら行」だと喜ぶ辞書編集部。これも原作小説、劇場映画には無いシーンです。

2019年10月 いよいよ「大渡海」用の紙が完成。あけぼの製紙でその出来映えの素晴らしさにみどりは感涙をながします。

その2週間後、開発された紙を使用した束見本(つかみほん=実際の製本時と同仕様・製本機で製作されたサンプル 印刷はされていません)の軽さ、ぬめり感などクオリティーの高さに大よろこびする辞書編集部一同。 

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その後、みどりと宮本はいつもの道を歩いて喜びを伝えあいます。太陽を見てみどりが「「光に透かした時の大渡海の紙の色 あまりにも綺麗で 何か生きてるなぁ」と言います。宮本は「そ~いう歌ありましたよね」、「手のひらを太陽に」「あの紙があんなに綺麗なのは血潮が流れているから」とみどり。宮本が「血潮?」と訊くとみどりは「情熱という意味があるんです」。ここで宮本は、決定的なセリフを言います。

「大渡海が完成したら真っ先に血潮を引きます。」

「入ってるかな大渡海の語釈に・・・調べておきます。」と返事をしたみどり。

そしてみどりは「血潮」の見出しが第4稿で抜け落ちていたことを発見します。

原作小説では、元玄武書房辞書編集部員で社外編集者の荒木が見つけました。劇場映画では「第4稿の校正に入り」追い込みの加勢にきた大学生のアルバイトが「血潮」の脱落を発見したのです。

NHKドラマ版では、みどりと宮本が苦心惨憺して辞書用の紙を追求したなかから発見されるという様にアレンジされました。これはこれでリアルな展開です。

原作小説や劇場映画とはまた違う魅力が、新しいNHKドラマにはたくさんあります。次回もどんな展開があるのか、楽しみでしょ?

文:鉄道チャンネル 住田至朗

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