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2月25日20時からNHK総合で放送された「光る君へ」第8回「招かれざる者」です。

以下、筆者の想像を含めたネタバレもあります。御宥恕くださいませ。

確認したい方は、NHKプラス(無料ですが原則放送から1週間以内)かNHKオンデマンド(有料ですがほぼ1年間視聴可能)で見直してください。

※〈場面転換〉で文字通り場面が変わります

寛和元年(985年)左大臣家では、倫子(黒木華)を中心に姫たちが「打きゅう」での公達たちを「品定め」に興じています。意趣返しではありませんが、第7回で公達たちが行った「姫たちの品定め」と同じコトを姫君たちもしているのです。

その中で赤染衞門(凰稀かなめ)は、欠席した藤原行成のピンチヒッターで登場した謎の公達、実は散楽師の直秀にぞっこんです。

倫子は「人妻なのにそんなことを言って」と言いますが、赤染衞門は平然と「人妻であろうとも心の中はおのれだけのもの」「そういう自在さがあればこそ 人は活き活きと生きられる」と返します。

まひろ(吉高由里子)はこの赤染衛門の言葉に何か感じ入った様子。

まぁ、恋愛観が現代とは全く異なる時代だったのです。

〈場面転換〉

右大臣邸東三条殿では「打きゅう」で勝利した公達たちが祝いの宴会中。腹痛で欠席した藤原行成(渡辺大知)も参加しています。直秀(毎熊克哉)は道長(柄本佑)に東三条殿を案内をしてもらいます。

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その時道長は直秀に腕の刺し傷を質しますが「芝居の稽古で小枝が刺さった」と返す直秀。道長は、自分が射た盗賊の矢傷ではないか疑っているのです。

というか道長は、薄々直秀が盗賊稼業をしていることに気付いている様なのです。

〈場面転換〉

散楽の稽古をする直秀をまひろ訪ねます。直秀は「都を去る」と告げ、まひろに「都は山に囲まれた鳥かごだ 都の外には海があり 海の彼方には別の国がある」と話をします。「一緒に行くか?」と訊かれたまひろは「行っちゃおうかな」と応えますが・・。

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道長への思いを断ち切ろうとするまひろに、直秀への思いが芽生えたのでしょうか。

〈場面転換〉

宮中で藤原義懐(高橋光臣)の横暴に対抗する談義で右大臣藤原兼家(段田安則)は、左大臣源雅信(益岡徹)に三男の道長を娘倫子の婿にと申し出ます。

〈場面転換〉

屋敷に帰った左大臣は、妻穆子(むつこ/石野真子)に道長の婿入りを相談します。左大臣は、内心右大臣を嫌っているのでその三男道長には難色を示します。関白藤原頼忠(橋爪淳)の息子公任(きんとう/町田啓太)が良いと言いますが妻穆子は「公任は見目麗しく目から鼻に抜ける賢さで女子にもたいそうマメという噂 その様な遊びの過ぎる殿御は娘が寂しい思いをするから」と反対します。

ここで笑えるのは左大臣が「道長も打きゅうの試合で姫たちに騒がれていた と赤染衛門が申していた」と言うと妻穆子が「あなた赤染衛門と二人で会ったの? それはイヤ」と応えるのです。

左大臣はアタフタしてしまいます。後ろ暗いコトがあるのかな〜。(笑)

そこに倫子がネコを探しに現れます。母から「右大臣家の道長をあなたの婿にどうかと話していた」と言われてウットリする倫子。左大臣に「まんざらでもない顔は何だ?」と問われちゃいます。

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どうやら倫子は道長に気がある様です。というか歴史上でも二人は結ばれ娘を天皇に入内させるのです。

〈場面転換〉

寛和二年(986)宮中で花山天皇の威を借りて横暴を通す藤原義懐に関白、左大臣らと異を唱える右大臣藤原兼家は突然倒れてしまいます。

〈場面転換〉

東三条殿で床に伏す右大臣のもとに陰陽師安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)が呼ばれます。安倍晴明は人払いし右大臣と二人きりにしてほしいと言います。

思うにここで花山天皇を退位に追い込むための密儀がこらされたのだと思います。

〈場面転換〉

僧侶たちが右大臣の枕頭で勤行していると寄坐(よりまし※)の女性に亡くなった藤原忯子(よしこ)の霊が憑依し眠ったままの右大臣に「子を返せ」とつかみかかるのです。

※寄坐(よりまし)は、神降ろしの際に神霊を乗り移らせる人や人形

安倍晴明が指を鳴らすと寄坐(よりまし)は気を失います。

ここも右大臣と密議した安倍晴明が仕組んだ芝居と思われます。

〈場面転換〉

内裏で安倍晴明は、花山天皇に昏倒した右大臣に取り憑いているのは成仏できない亡き忯子の霊であると告げます。この場には花山天皇の信頼篤いまひろの父藤原為時(岸谷五朗)もいます。

〈場面転換〉

父の右大臣を見舞う次男道兼。右大臣は目を開け道兼を見つめます。

ここで〈場面転換〉してしまいますが、おそらくこの後、右大臣は息子道兼に花山天皇の信頼篤いまひろの父藤原為時に取り入り、さらには花山天皇にも近づく策を授けたのだと思います。

〈場面転換〉

そして道兼は、宮中の書庫(ふみぐら)で書物の整理をするまひろの父為時に接近します。道兼は、父右大臣が幼い頃から自分を嫌い、折檻を繰り返したと痣だらけの腕を見せるのです。

〈場面転換〉

数日後、道兼は酒が飲みたいと酒を持参して為時の屋敷を訪ねてきます。急の訪問に慌てる為時。そこにまひろが左大臣家の姫君の集いから戻ってきました。

驚愕して道兼の横を走り抜けるまひろ。

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為時と酒を飲む道兼。そこにまひろが母の形見である琵琶をもって現れます。「お耳汚しに」と琵琶を奏でるまひろ。トップの画像をご覧ください。

道兼は見事な演奏を褒め「誰から習った」かと尋ねます。

ここが第8回のクライマックス・シーンですね。

まひろ「母に習いました」

道兼「母御はどうされた」

まひろ「7年前に身まかりました」

道兼「それは気の毒であったな ご病気か?」

もちろんここでまひろは一瞬沈黙します。

心配そうな父の為時・・・。

まひろ「はい」

と答えます。

そして「失礼しました」と自室に下がるのです。

道兼は為時に「麗しいが無愛想だな」と笑いかけます。

独りで飲んでも楽しくないと道兼は、控えているいと(信川清順)に飲もうと呼びかけますが、相手にされません。「真面目な家じゃ」と笑います。

まひろの母を逆上して殺害した道兼は、ドラマではかなりイヤな人物ですが、演じている玉置玲央さんは、実は吉高由里子さんと仲が良いとNHK「土スタ」で話してました。第8回で為時の屋敷を訪ねた道兼は、なかなか感じの良い人物に見えてしまう瞬間がありました。

〈場面転換〉

道兼が帰った後、父の為時はまひろに「よく辛抱してくれた」と頭を下げます。

しかしまひろは「私は道兼を許すことはありません。されど、あの男に自分の気持ちを振り回されるのは、もうイヤなのです」と決然と言うのです。

〈場面転換〉

内裏で道兼は花山天皇から「右大臣の子は去れ」と言われ下がります。

しかし、さっそく右大臣の策にハマった藤原為時は、天皇に「道兼は父である右大臣に疎まれている」と告げ、天皇は呼び戻した道兼の腕の痣を見て同情するのです。

〈場面転換〉

右大臣家の東三条殿に夜盗が入り、武者たちが取り押さえ覆面を剥ぐと散楽師直秀です。それを見た道長は絶句。

さて、第9回「遠くの国」で直秀と道長の関係は、どうなるのでしょう。直秀を憎からず思うまひろは?

文:鉄道チャンネル住田至朗

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